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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第4章 愛撫

 出産の経験もある彼女には、金淑義の衰弱の仕様で、到底、子が無事に産めるとは思えなかった。むろん、そのようなことを口にできるはずもないが。
 が、金淑儀を診ている尚薬や産婆には、既にそのことは判りすぎるくらい判っているはずだ。
「殿下、愼尚宮を少し休養させてはいかがでしょう」
「―それは、どういう意味だ? あれの仕事はあれが勝手にやっていることだ。予が命じたわけではない」
 王は見る間にご機嫌斜めになった。

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