夢で逢えたなら~後宮秘談~
第4章 愛撫
「先刻、殿下のおん許にお伺いする前に、愼尚宮に廊下で逢いましたが、とても具合が悪いようでした。恐らく辛くとも、無理をしているのでしょう」
「そなた―、何が言いたい?」
憮然として言うのに、楊尚宮は微笑んだ。まさに、駄々っ子を母親が宥める図そのものである。
「畏れながら、私が拝見しますに、お心の声に素直に従われた方が良いのは殿下も同じ御事と存じますが」
「そなたらしくない。回りくどいことを申すな、申したきことあらば、さっさと申せ。予は忙しいのだ。決裁せねばならぬ書状が山と溜まっている」
「そなた―、何が言いたい?」
憮然として言うのに、楊尚宮は微笑んだ。まさに、駄々っ子を母親が宥める図そのものである。
「畏れながら、私が拝見しますに、お心の声に素直に従われた方が良いのは殿下も同じ御事と存じますが」
「そなたらしくない。回りくどいことを申すな、申したきことあらば、さっさと申せ。予は忙しいのだ。決裁せねばならぬ書状が山と溜まっている」