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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第5章 妖婦

 大体、百花は〝冬の月のような美少女〟ではないし、王に部屋一杯の宝玉を贈られたこともない。一度だけ、珊瑚の簪を贈られた時、そのようなものは勿体なくて受け取れないと辞退したことはあるが、大方、それに尾ひれがついて広まった噂に違いない。
 いずれにしても、百花についての噂は〝聖(ソン)君(グン)であった王をその色香で惑わし、国を傾ける妖婦〟と芳しくないものばかりである。
 金淑儀が亡くなった後、宴は連日のように続いた。

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