夢で逢えたなら~後宮秘談~
第5章 妖婦
沈貴人本人にその事実を問うてみても、
―そのような事実は一切ない。身に憶えのないことだ。皆で寄ってたかって、私を罪人に仕立て上げようとするのか。
と、泣きじゃくる始末で、手に負えない。
金延苑の呪詛が明らかになった直後も、彼女が取った行動は実に天晴れというか、鮮やかだ。
王の許に呼びつけられた沈貴人は
―このような仕儀になるのは、すべて私の不徳の致すところにございます。たとえこの身は潔白でも、他人からあらぬ疑いを抱かれるは、私自身にそのように思わせる隙があるからでしょう。主上さま、どうか、私を罰して下さいませ。
と、導宗の前にひれ伏して号泣したという。
―そのような事実は一切ない。身に憶えのないことだ。皆で寄ってたかって、私を罪人に仕立て上げようとするのか。
と、泣きじゃくる始末で、手に負えない。
金延苑の呪詛が明らかになった直後も、彼女が取った行動は実に天晴れというか、鮮やかだ。
王の許に呼びつけられた沈貴人は
―このような仕儀になるのは、すべて私の不徳の致すところにございます。たとえこの身は潔白でも、他人からあらぬ疑いを抱かれるは、私自身にそのように思わせる隙があるからでしょう。主上さま、どうか、私を罰して下さいませ。
と、導宗の前にひれ伏して号泣したという。