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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第5章 妖婦

 百花の悪阻は確かに重度ではあるが、よく効く薬があるから、それを処方してくれるという。後で薬房に昌淑が取りにゆくことになった。
 昌淑は尚薬に過分の宝玉を与え、そのことを他言せぬよう固く口止めして帰した。
 これで百花の懐妊は確認されたわけだ。しかし、百花は少しも心が弾まなかった。
 これまでは懐妊に対して半信半疑だったのに、もう真実から眼を背けられなくなってしまった。

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