夢で逢えたなら~後宮秘談~
第5章 妖婦
昌淑は微笑み、手巾を出して百花の涙を拭う。そうやって甲斐甲斐しく世話をする姿はそれこそ本当の姉のようだ。
「百花、私はこう考えるわ。今回のことは、赤ちゃんがあなたと自分を守ったのよ。この子を大切にした方が良い、この子はきっと天運を持っている。普通ならもっと早くに悪阻が出て懐妊が判るのに、五ヵ月になるまで症状が出ないで、今になって出るなんて―。あなたの赤ちゃんは無事に生まれたくて、今までじっと息を潜めていたのよ。あなたのお腹にこの子がいることが判れば、もしかしたら、この子も金淑儀の御子と同じように毒を盛られて殺されていたかもしれない」
「百花、私はこう考えるわ。今回のことは、赤ちゃんがあなたと自分を守ったのよ。この子を大切にした方が良い、この子はきっと天運を持っている。普通ならもっと早くに悪阻が出て懐妊が判るのに、五ヵ月になるまで症状が出ないで、今になって出るなんて―。あなたの赤ちゃんは無事に生まれたくて、今までじっと息を潜めていたのよ。あなたのお腹にこの子がいることが判れば、もしかしたら、この子も金淑儀の御子と同じように毒を盛られて殺されていたかもしれない」