夢で逢えたなら~後宮秘談~
第6章 鷺草~真実の愛~
これまで百花にとっては、夜の訪れがある意味、恐怖でさえあった。また、執拗な愛撫を受けるのかと考えただけで、涙が出そうになるほど辛かったのだ。それが、今や王は林采順という妓生に夢中で、百花のことなど見向きもしない。
もっとも、采順を寝所に呼ぶことは一度もなく、お気に入りといっても、宴席で傍らに侍らせるくらいのものだ。何を思ったか、ここ数日は宴もふっつりと止めた。夜は他の側室たちの許へ渡ることもしないし、かといって、彼女たちの一人を寝所に招くこともしない。
もっとも、采順を寝所に呼ぶことは一度もなく、お気に入りといっても、宴席で傍らに侍らせるくらいのものだ。何を思ったか、ここ数日は宴もふっつりと止めた。夜は他の側室たちの許へ渡ることもしないし、かといって、彼女たちの一人を寝所に招くこともしない。