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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第6章 鷺草~真実の愛~

 夜半過ぎまで大殿で一人、酒を呑んでいる夜が続いているとのことだ。
 百花は王の寵愛を失った。しかし、落ち込むはずもなく、百花はかえって気楽になった。
 よくよく気をつけて見れば、百花の腹はもうかなり膨らんでいるものの、チマの上からでは、まださほどに目立ちはしない。誰が見ても、すぐに懐妊しているとは見破れないだろう。
 どんなときでも、心を込めて仕事をするというのが彼女の信条である。たとえ床拭きでもおろそかにはしない。きれいに洗い上げた雑巾を使って丹念に拭いてゆく。

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