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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第6章 鷺草~真実の愛~

 それが伝わったのだろう、王は随分と落胆した様子に見えた。その後、王は突然荒々しく百花を褥に押し倒し、狂ったように彼女の身体を貪り、犯した。
 あのときの王の表情までありありと甦る。
 まるで親に褒められることを期待していた子どもが褒められ損ねたときのような、がっかりした顔。
 今の時季、王が好きだと言っていた北園には、鷺草が咲いているのだろうか。 
 百花はもう、居ても立ってもいられなかった。急いで掃除を済ませると、飛ぶようにして北園に行った。

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