
夢で逢えたなら~後宮秘談~
第6章 鷺草~真実の愛~
王宮の庭園は実に広大で、〝北園〟、〝南園(なんえん)〟と呼ばれる二つから成り立っている。
百花はあまり北園には来たことがなかったが、王の語っていた池は知っていた。
なだらかな小道沿いに低木が植わっている。何の樹なのかは知らないけれど、この季節、花は見当たらない。急ぎ脚で庭を貫く小道を辿ると、ふいに緑の繁みがぽっかりと割れ、視界が開けた。
純白の鷺にも似た花が見渡す限り一面、びっしりと隙間なく群れ咲いている。それはまるで白鷺の集団が群生しているようでもあり、確かに見る者を圧倒した。
百花はあまり北園には来たことがなかったが、王の語っていた池は知っていた。
なだらかな小道沿いに低木が植わっている。何の樹なのかは知らないけれど、この季節、花は見当たらない。急ぎ脚で庭を貫く小道を辿ると、ふいに緑の繁みがぽっかりと割れ、視界が開けた。
純白の鷺にも似た花が見渡す限り一面、びっしりと隙間なく群れ咲いている。それはまるで白鷺の集団が群生しているようでもあり、確かに見る者を圧倒した。
