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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第6章 鷺草~真実の愛~

 夜半、夢を見た。
 百花は辺りをゆっくりと見回す。一面にひろがる白い花が時折、風に吹かれる。
 見憶えのある懐かしい光景だ。
 百花はじっと眼を凝らす。
 この白い花たちの向こうには確か巨大な池があるはずなのに、いっかな見当たらない。
 眼前に横たわるのは、ただ一面、白い花に埋め尽くされた野原ばかり。
 と、百花は白い花の向こうにひっそりと佇む人影を認めた。

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