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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第6章 鷺草~真実の愛~

 王が、去ろうとしている。
 あの男(ひと)が、行こうとしている。
―殿下(チヨナー)ッ。
 百花は声にならない叫びを上げた。その絶叫は哀しげな鳥の啼き声にも似て、夕陽の色に染まった空に切なく呑み込まれていった。

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