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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第6章 鷺草~真実の愛~

 百花の腹はここのところ、急速に大きくなってきて、チマを穿いていても目立つようになってしまった。そろそろ六ヵ月に入るのだから、当然だ。腹の大きな王の側室が女官姿で洗濯物を抱えてふらふらと歩いているのは、確かに異様な光景ではあったろう。
 すれ違いざま、女官たちはクスクスと嘲笑とも取れる笑い声を置き土産に去っていった。 
 数歩あるいたところで、情けなくも脚許の小石に躓いた。

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