
夢で逢えたなら~後宮秘談~
第6章 鷺草~真実の愛~
「百花、このように考えてみては、どうだ。女ながらも立派にひとかどの仕事をやり遂げようと考えるそなたの志は立派なものだと予は思う。だが、何も役付きの尚宮でなくとも、そなたの才覚を活かす道はあろう。例えば王妃は国母、この国の民の母だ。国母に何より必要とされるのは、どのようなときも己れを見失わぬ強さ、更に、万民を慈しめる優しさである。そなたには打ってつけの役だと思うのだが」
「殿下―」
百花は潤んだ瞳で王を見上げた。
王の優しい言葉が心に滲みる。
「殿下―」
百花は潤んだ瞳で王を見上げた。
王の優しい言葉が心に滲みる。
