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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第1章 恋の訪れ

 もとより―、そんな後宮の内々の事情は、一女官にすぎない百花には全く与り知らぬ話ではある。
 今、百花はあまりの予期せぬ展開に言葉すら失っていた。下っ端女官にすぎない自分が国王殿下よりこんな近くでお言葉を頂くなど、夢にだに考えていなかった事態である。
「お、畏れ入り(ハンゴン)まし(ハオ)てございます(ニダ)!」
 咄嗟に科白が思い浮かばなくて、思わずひれ伏してしまった百花に、また、からかうように声がかけられた。
「凄い力持ちなのだな。こんな重い物をその細腕一つでよくぞ持ち上げられたものだ」

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