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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第1章 恋の訪れ

「―随分と賑やかというか、面白き女子(おなご)だな。この広い王宮にも、あのような女がおるのか」
 王は笑いながら、地面に散らばった洗濯物を一つ一つ拾い、女官が放り出していった籠に入れてゆく。よもや、その前代未聞の姿を物陰からそっと眺めている者がいるなど考えもしなかった。

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