夢で逢えたなら~後宮秘談~
第2章 揺れる、心
「よりにもよって主上(サンガン)さま(マーマ)に喧嘩腰で怒鳴り散らし、あまつさえ、地面に落ちた汚れ物の後始末をおさせするとは、全く正気の沙汰とも思えぬ!」
「尚宮さま、汚れ物ではございませぬ。既にきれいに洗い上げた物ばかりでございました」
百花が恐る恐る口を開くのに、崔尚宮は憤懣やるかたなしといった様子で喚いた。
「そのようなことは、この際、どうでも良い。殿下が下々の者たちの身に纏うものをおん自ら拾われ、お手を汚されたということ自体がはや、常識では考えられぬのだ!」
「尚宮さま、汚れ物ではございませぬ。既にきれいに洗い上げた物ばかりでございました」
百花が恐る恐る口を開くのに、崔尚宮は憤懣やるかたなしといった様子で喚いた。
「そのようなことは、この際、どうでも良い。殿下が下々の者たちの身に纏うものをおん自ら拾われ、お手を汚されたということ自体がはや、常識では考えられぬのだ!」