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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第2章 揺れる、心

「ホホウ、相変わらず随分と威勢の良い娘だ。だが、幾ら何でも、その様は頂けないな。脚の出し過ぎではないか。むろん、予は十分眼の保養をさせて貰ったがな?」
 その科白に、百花は忽ち真っ赤になった。延々と続く長い廊下を拭くために、女官のお仕着せのチマの裾をこれでもかというほど思いきり捲っていたのだ。
 そのせいで、からげたチマの中―つまり下履きが丸見えである。この格好を真後ろからずっと眺められていたのかと思うと、羞恥芯で身体がカッと燃え出すようだ。

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