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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第2章 揺れる、心

 でも、今日はもう取り乱しはしなかった。まだ怒りと恥ずかしさで頬は熱かったが、自分でも愕くほど冷静に対応できる。
「昨日ならず、またしてもご無礼な態度を取ってしまったことについては心よりお詫び申し上げます、殿下(チヨナー)。しかしながら、殿下にこのようなことをして頂くと、私はとても困るのです」
「―困る? それは何故だ」
 当惑したような表情の王に、百花はきりりとした視線を投げた。

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