夢で逢えたなら~後宮秘談~
第2章 揺れる、心
「そのようなことがあったのか?」
流石に大王大妃は知らなかったらしい。愕きと好奇心に身を乗り出すように訊ねるのに、金淑儀が重々しい顔で頷いた。
「あの提調尚(チェジヨサン)宮さま(グンマーマ)がたじたじとなさるほどの勢いで、殿下が掛け合いにゆかれたとか聞いておりますわ。王に対する不敬罪は後宮追放に値すると提調尚宮さまが仰せになった時、殿下は、どうでも愼女官を罰するつもりなら自分を先に罰せよとまで仰せになったとか」
「ホホウ。年長者を立てて大臣や尚宮たちの言い分には滅多と逆らわぬ主上(サンガン)がそうまで事を荒立てるとは珍しきこともあるものよ」
流石に大王大妃は知らなかったらしい。愕きと好奇心に身を乗り出すように訊ねるのに、金淑儀が重々しい顔で頷いた。
「あの提調尚(チェジヨサン)宮さま(グンマーマ)がたじたじとなさるほどの勢いで、殿下が掛け合いにゆかれたとか聞いておりますわ。王に対する不敬罪は後宮追放に値すると提調尚宮さまが仰せになった時、殿下は、どうでも愼女官を罰するつもりなら自分を先に罰せよとまで仰せになったとか」
「ホホウ。年長者を立てて大臣や尚宮たちの言い分には滅多と逆らわぬ主上(サンガン)がそうまで事を荒立てるとは珍しきこともあるものよ」