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エンドレス

第35章 久美と薫、それぞれの夜

夕飯を済ませ、次第に夫婦の感覚を思い出す。

これが2週間前までの生活・・

年が離れているからか、さほど会話があるわけでもない。

特に不満があった訳でも無いのに、違和感を感じてしまう。
意識すればするほど夫との生活には魅力を感じられない自分がいた。

それほどに薫との2週間が充実したものだった。

「なんだかイライラしてる?」

ドキっとした。
なんだかするどい。
違和感が態度に出てしまったのかしら。

「そんな事ないよ?ちょっとお腹が痛くて・・」

生理のせいにする。

「あぁ・・生理になるって言ってたもんね・・大丈夫?」

「うん。病気じゃないし・・お風呂できてるから入ってきたら?」

「あぁそうする・・」

直哉がバスルームに向かおうとして足を止めて振り返る。

「一緒に入る?」

「んっ?・・生理中だから後でシャワーにするわ。」

「ん~残念・・」

そう言って直哉がお風呂に入った。

(いけないいけない・・ちゃんと奥さんしなくちゃ・・)

薫との事に後ろめたさを感じている事もないが、薫に身体だけでは無く、すっかり夫婦としての生活まで変えられてしまったようだった。

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