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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~

第6章 伍の巻

 公之は長い間使用していなかったこの別邸をひそかに修理させ、何とか人が住めるような体裁に整え、公子をここに匿ったのだった。
 公之は定期的にこの別邸を訪れる。来れば、半日ほどはゆっくりとここで過ごし、その間、公子を相手に様々な話をするのが常であった。二人はお互いのことを少しずつ語った。

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