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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~

第1章 《序章》

 この一つ違いの従姉弟にも当たる二人は、物心ついた頃から犬猿の仲で、顔を見れば罵り合い放題、喧嘩ばかりなのは宮中に出仕する者であれば周知のこと。もっとも、その場合、大抵は一つ下の少年の方が専ら従姉を挑発し、最初は我慢していた少女の方がついに怒りを爆発させてしまうといったことが多い。

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