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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第2章 【残り菊~小紅と碧天~】 恋一夜

 その時、小紅はふと思った。
 私、今、何と思ったの? 確か、叔父さまを大好きだと―? 
 叔父を好きだという気持ちはまだ物心つくかつかない頃からのもので、今も変わりはしない、今になって、それをどうこう考える方がおかしい。
 しかし、叔父の言葉でその疑問もすぐにうやむやになった。
「大きな声をして悪かった。でも、私の方が小紅ちゃんの顔を見たいと思ってね」

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