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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第2章 【残り菊~小紅と碧天~】 恋一夜

 何故か、その言葉に頬が熱くなる。今日の私は変だ。いつもと何かが違う。
「昨日、今日とずっと小紅ちゃんの顔を見ていない。何か心に小さな穴が空いたようで、今一つ元気が出なくてね」
 確かに武平は昨夜は同業者ばかりが集まる寄り合いがあって遅かったし、今日も商用とかで一日中、姿を見なかった。

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