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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第2章 【残り菊~小紅と碧天~】 恋一夜

「私はこれから先も誰かと再婚するつもりはない。だが、心に想う相手なら、ちゃんといる」
「そう、叔父さまは誰かお好きな方がいるのね」
 当然だと思う。父に似ているとはいえ、叔父は男ぶりはさほど悪くはないし、まだ三十二歳と若いのだ。何より、優しく男気もあって、人柄に惹きつけられる。そう、実の姪ですら虜になってしまうほどに。

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