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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第26章 第二部・第六話【春咲く花】 略奪

「私のために泊まり込みの番までしてくれて」
「―」
 栄佐はもう何も言えず、起こしかけた半身をまた布団に横たえるしかなかった。
 その時、栄佐は自分がまた一刻の欲望に負けて、浅はかな行動に出ようとしていたことを知った。
「何でえ、いきなり水くさえことを言いやがって」

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