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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第27章 第二部・第六話【春咲く花】 逢瀬

「兄さん、あたしで良かったら、いつでも敵娼(あいかた)になりますよ」
 逆に流し目をよこされ、栄佐は啜っていた生温い茶に危うくむせそうになった。
「いやいや、気遣いはありがてえが、それはまた今度のお楽しみに取っておこう」
 栄佐は懐から小粒銭を出して女の手に握らせた。
「色々と教えてくれて、ありがとうよ。なかなか興味深い話が聞けた」

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