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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第1章 【残り菊~小紅と碧天~】 始まりは雨

―こっちに良い隠れ場所があるから。
 準平にそういって連れていかれたのは、庭の奥まった部分にある物置であった。使われなくなって久しいらしく、荒れ放題ではあったが、小屋としての形は何とか保っている。準平は小紅の手を引いて、その物置に入り込んだ。

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