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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第5章 【残り菊~小紅と碧天~】 いちばん幸せな日

「準平さんの話に嘘はないわ。私、あの人と結婚するように決められていたの。でも、それがいやで逃げ出してきた。祝言も挙げていないのに、あの人が私を無理に自分のものに―」
「もう良い、何も言うな」
 栄佐が憮然として話を遮る。
「でも」
「俺が良いと言っている」

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