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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第1章 【残り菊~小紅と碧天~】 始まりは雨

 しかし、準平は常識など端から無視するつもりなのか、そんなことも思い浮かばないのかは知らないが、何も言わない。
 流石に武平もその場の雰囲気を察したのか、取り繕うように言った。
「まあ、夫婦になると言っても、そこは従姉弟同士。満更、知らない間柄ではないし、気心も知れている。今日のところはこれくらいにして、後日、若い者同士でゆっくりと語らうことにしよう」

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