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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第1章 【残り菊~小紅と碧天~】 始まりは雨

 その言葉を証明するかのように、その夜、準平が小紅の寝所に忍び込んでくることはなかった。その女中はお琴といって、これからは小紅付きの女中になると判った。お琴が側にいてくれれば、この難波屋での新しい生活も百万の味方を得たようである。

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