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幻想世界☆

第1章 その扉が開くとき

・横尾side

デジャヴそんな言葉があるけれど。



「盛り上がってるかぁ」

「わあぁーっ」

「まだまだ行けるなぁ」

「きゃああっ」



俺は、同じ光景を前日にも見たような気がしていた。



「タイピー」「みっくん」「タマちゃーん」

「ニカあぁ」「千賀あぁ」「横尾さーん」「宮田」



終演後―



北「お疲れ」

ニ「めっちゃ楽しかった、なぁ千賀」

千「うんマジで今日の宮田は笑えたし」

宮「はっ?お前こそMCでボケツ掘ったくせによ」

ニ「千賀は愛嬌で済むからいいけど宮田はそうはいかないからなぁ」

宮「そんな事ないもん」

千「あるある」

ニ「なぁーアハハッ」

宮「うわっ、こいつらムカつくぅ」

ニ千「あはははっ」



楽屋でのこんなやり取りでさえ。



玉「行くぜ、でこでこパーンチ」

宮「うわっ、いってぇ」



それから宮田と裕太がジャレ始め。



藤「わた、タマ、めしでも食いに行かない?」

玉「OK」



太輔が誘いを掛け、同じだ全くと言っていいほど。



藤「わたは?」

横「んっ?じゃいつもの所で」



俺はそう答えて、しかし扉を開けたら。

ガチャ!



横「ぁ…‥(今日は違う)」

玉「乗らないの」

横「いや」



バンに乗り込み3人で行きつけの店へと向かった。

無言の車内、この流れる沈黙が何を意味するものなのか?



店員「いらっしゃいませ、こちらのお席へどうぞ」


それを知るのは、もう少し先のこと。



玉「ふーん、じゃガヤはこのまま」



俺達は、たわいもない話しをしつつ。



藤「別に俺は無理してどうにかしようとか思ってないし」



頭の中ではお互い。



藤「わたは?」

玉「あっ、俺もそれは知りたい」



この違和感に疑問を抱いていたんだ、口には出さず。



横「じゃまたね」

藤「あっ、わた」

横「なに」

藤「いや、なおやすみ」



あれは、いったいなんだったんだろう?

ガチャ!



横「ただいま、みんないい子にしてた ニコッ」



クゥーン、クゥーン、キャンキャン

気のせいだとは思いたい、がもし今夜またそこへ行ったなら何か分かる気がする

あのとき、扉を出た瞬間に

自分の前で白い犬になったのは確かに裕太だったんだ

それはそれは愛らしい。




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