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幻想世界☆

第11章 迫り来る闇②

北「わあぁーっ、土砂崩れだぁ」



慌てて辺りを見渡すと誰もいない様子、ならば逃げるが勝ちだ。

ダダダッ!

暫くしたら、長い廊下へと出て。

壁にズラリと絵画が並べられていてよ。



北「ふーん、何がなんだかさっぱり分からねぇ」



その先の奥は真っ暗闇。



北「よーし、突っ走るか」



“へっ”て後ろから小さな声が聞こえた気がした。

ダダダダッ!

それが野生の本能なのかは知らない。

唐突に走りまくってみたくなったんだ。

ダダダダダッ!
――――ダダダダダッ!



北「ひやっほい気持ちいいぃーっ」



ダダダッ!



塚「北山、止まって北山」

北「ガハハハッ」

塚「止まってったらぁー」



周りが、どうなっているかなんて眼にも入らず。



塚「止まれぇーっ」



んっ?ピタッ、この声の主は塚ちゃん。

振り返った先には。



塚「もぉー何やってるの、周りを見て」

北「はっ?」



言われた通り周囲をよーく見渡すと。

泥だらけの廊下、壁に掛かっていた絵画は落ちまくっていてよ。

穴まで空いている物もあり



塚「あぁーあ、こんなにしちゃって見つかったら怒られちゃうよ」

北「誰に?」

塚「あの執事に決まってるじゃん、ハァ」

北「あいつ、そんなに恐いわけ?」

塚「とにかく」



塚ちゃんは言う、藤ヶ谷の傍から離れるなと。



北「どうして?」

塚「北山さぁ、ぶっちゃけどう思ってるの」

北「んっ?」

塚「藤ヶ谷のこと」

北「‥‥‥」

塚「俺、みーんなに幸せになって貰いたいんだ」

北「えっ」

塚「その為ならどんな事だってする、だって俺達は」



だからここへ来たんだと、ある人に呼ばれ。

そう言って微笑んだ塚ちゃんの顔はキラキラと輝いていた。

俺は、その意味を後になって知ることになる。

そっか、そういう事なんだと。




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