テキストサイズ

幻想世界☆

第2章 秘めた想い①

屋「さて何処がいい」

千「はっ?」



目の前にある沢山の檻。



屋「好きな所へ入れてやるよ、フッ」



どこも嫌に決まってるじゃん。

と、そのとき。



河「出せ、このやろ出せって言ってるだろ」



へっ?この声は。



屋「煩い、お前は売れないんだから仕方がないし」

河「だったら自由にすればいいだけのことじゃん」

屋「一度捕まったら、そうは行かないのがこの世界の決まり事」

河「そんなこと言ったって誰も買ってくれないしさ」

屋「ほら、お仲間だ」



そう言うと屋良にぃは俺を郁人の前の檻に入れ。

キィーッ、ガッチャン!



河「健永か!?」

千「おっ、おう、ハハッ」



おや耳が付いている、まるでネズミのような。

ネズミ?ハムスター、モノマネ…



千「あぁーっ」

河「なっ、なんだよ!いきなり」

千「モノマネするハムスターって」

河「そっ、俺のこと ニコッ」

千「売れない変な奴?」

河「悪かったな、そういうお前だって猫じゃん健永が猫だってよ、キャハハハ」

千「うっ」



この笑い方、こういうときに聞くと腹が立つ。

でも、それより。



千「俺達これからどうなってしまうんだろうな?」



そっちの方が気に掛かり、ボソッと言うと。

郁人の笑い声が、ピタッと止まった。



屋「ここはいわゆるペットショップと同じ ニコッ」

千「えっ?」

屋「いい奴に買われ可愛がって貰え」

千「可愛…がる?」

屋「可愛がられるだ、フッ」

千「んっ?」



どういう意味?



屋「飼われてみれば分かる言っとくがペットは飼い主に絶対服従、覚えておけ」

千「はあっ?」

屋「何をされても、逆らえないってことさ、ニヤッ」

千「???」



やっぱり分からない…

けれどそれから暫くし急に辺りが真っ暗になったかと思うと。

チッチッチッ―

んんーっ、朝?鳥の鳴き声が聞こえ。

変な夢を見たなぁ、やけにリアルだったし。

俺は、のほほんとしていた

まだ危険を感じるほど疑問に思っていなかったから。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ