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幻想世界☆

第2章 秘めた想い①

・北山side

俺は、暗闇の中にいた。

ガサガサッ、ガサッ、周辺に何かいるのか?

時折、草むらを掻き分けるような音がし。

ガサッ!



「逃げるんだ北山」



とつぜん声がして、身体が勝手に反応し。



「何をしている早くしろ」



ダダダッ勢いよく走り出す

てかこんなに足、速かったっけ?



「ちっ、逃がしたか?」

「仕方がない、他を当たるとしよう」

「さっきの奴、狼だったんじゃないのか?」

「なわけないだろ、ありゃ絶滅したって聞いたぞ」

「いやハンターの勘だ間違いない、くっそぉ必ず捕まえてやる」



何処からともなく聞こえて来た声―

あいつら何を言っている?

狼、誰が?わけ分からないこと言いやがってよ。

俺は人間だ、フッ

―が、泉みたいな所へ辿り着き水を飲もうとしたら。



北「なっ!?なんだわこれ」



月明かりの中、水面に映った自分の姿に驚いてしまう



北「うっえぇー耳が付いてる!?」



どう見たって、それは動物の耳で。

犬みたいなのが2つ、頭にチョコンとくっついていてよ。

いや、さっきの奴は狼って言ってたよな。

んなバカな!?

恐る恐る今度は自分の尻を手で触って見ると。

まっ、まさか!

ふわっとした感触が、直に触れ。



北「マジいぃーっ!?」



確実に尻尾じゃんこれどうなってるの?



北「夢だ、うんそう、なーんだ気にしなくてもいいんじゃね?クスッ」



咄嗟に思う、いわゆる現実逃避ってやつ。

しかし、あの声はなんだったんだろう。

“逃げるんだ北山”

俺の名を呼んだ、どこかで聞いた事があるような。

ジリジリジリ―

うっせぇ今、考えごとしているんだ。

ジリジリジリ―

だから、煩いって言ってるじゃん。

ガバッ!



北「んっ?」



飛び起きたら、朝だった。




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