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幻想世界☆

第13章 想うがゆえ

ガタンゴトン―

電車を乗り継ぎ、見慣れた風景の駅へと降り立つ。

ここだ…

しかし時間もあるかもしれないが。



藤「いないな、やっぱり」



それでも、歩いて数分後。

俺は思わぬ奴に、出くわす事となる。



藤「お前、どうして?」



確かに、こいつは夢の世界にいたけれど。

手招きする姿は現実の中でのこいつではなく獣人としての姿形をしていて。

それも―

周囲の人たちは、その存在に全く気づいていない様子

いったい、どういう事なんだろう?

俺について来いとでも言うの。

前へ1歩、足を踏み出せば合わせるかの如く進み始め

招かれた場所、そこは古びた屋敷の前。

んっ?なんか似ているな、屋良さんがいた幻想館に。

ギギィーッ、中へ入ったら



「よく来たな藤ヶ谷、待っていたぞ」



えっ、えぇーどうして!?



「よく聞け、あの夢の世界は欲望の塊で出来ている」



それが幻想世界―



「だからあそこにいる時は欲が増幅してしまい欲望のエナジーに触発され」



抑えることは困難となる、なるほど。



藤「じゃ、どうすればいいんです?」



そう聞いた俺に―



「手は打ってあるさ、その為に俺達はいるんだから」



どういう意味?



「いまは、北山の傍にいてやれ」



それから―



藤「白い月の使者?銀色の狼が!?」



そうか、だから屋良さんは



「それについては、俺達で調べている」

「もし欲望に負けてしまっても」

「真実の想いさえあれば闇に負けたりなんかしない」

「希望は必ずある」

「俺達は、そう信じているんだ」



希望か、ふっ、そうだな。

俺も信じるよ、なによりも仲間という絆を。




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