テキストサイズ

幻想世界☆

第2章 秘めた想い①

・玉森side

ハァハァ、はぁはぁ…ハァ



「待てー逃がさないぞ」

「よし挟みうちだ、お前はあっちから行け」

「了解」



タダダッ、ったくなんなんだよ?こいつら、クッ

俺はわけの分からない連中に追われていた。

これって夢だよな?だって確かに眠ったはずだから。

自分のベットの上で。

だけど気がつけば森にいて周りには。

自分と同じ犬の耳と尻尾を付けた人たちが沢山いてさ

そしたら突然。

でかい男たちが現れ俺らを捕まえようとし。



「諦めろ、もう逃げ場はない」



はっ?冗談じゃない捕まってたまるか。

追い詰められた崖の下そこには川があり、俺は勇気を振り絞り。

ジャッボーン!



「あのバカ、飛び込みやがった」



しかし予想外に流れが早く

“くっ、苦しい思うように泳げない”

サザァ―

脳裏に浮かんだメンバーの顔。



藤「タマ、しっかり」

宮「タマ」

千「頑張るんだ」



ガヤ、千賀、宮田…クッ



ニ「あっちへ行けばなんとかなる」

北「岸へ上がれタマ負けるんじゃない」



ミツ、ニカ…ハァハァハァ

必死で足掻いて足掻きまくり。

あともう少し、クッ

目の前に、ボヤけて見えた川の岸。

そこに―



横「裕太あぁーっ」



あれは、わた?わたぁーっ

心の中で叫びながら必死で泳いでく。

バシャ、バシャン!

今、行くからそこで待ってて。

差しのべられた手、それを握りしめようと。

渾身の力を振り絞り。

ギュッと掴んだ瞬間すーっと意識が薄れ。

えっ?

ハッと我に返ったら薄明かりの中、視界に自分の部屋の天井が見えたんだ。

あれ?やっぱり夢だったのかな。

それにしても凄い汗を掻いてる。

これじゃあ宮田じゃん、ハハッ

ブルブルッ、うおっ寒気がして来たヤバいヤバい。

風邪でもひいたら大変だ。

時計の針は、夜中の2時を差している。

まだ、そんな時間?

素早く汗を拭き、着替えて再び布団の中へ潜り込む。

そういえば、わただけどうしてあそこにいたんだろう

ふとそんな事を思いながら




ストーリーメニュー

TOPTOPへ