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幻想世界☆

第17章 慟哭と苦悩①

・宮田side

あの日、月に願ったりなんかしなかったら。

こんな事には、ならなかったのかもしれない。



千「宮田、どうかした?」

宮「んっ?」



俺は、ある決心を固める。



千「珍しく真面目な顔をしくさってさ」

宮「へっ?」



もし、自分が犠牲になる事でみんなが。

ここを抜け出す事ができるのなら、そうなっても構わないと。



宮「俺だって、真剣な顔をするときくらいあるよ」

千「あはははっ」



それが、自分自身で出した仲間への謝罪の気持ちでもあったんだ。

ガヤさんは俺だけじゃないと言ってはくれたけど。

最初に祈ったのは自分だし



千「静かだな」

宮「うん」

千「なぁ」

宮「んっ?」

千「俺さ宮田を好きになったこと後悔していないよ」

宮「どうしたの?急に」

千「だって悩んでいるみたいだったから」

宮「千ちゃん」

千「ニカは、ちゃんと分かってくれてるし」

宮「うん、フッ」

千「横尾さんとタマもなんとか上手くいった」

宮「そうだね」

千「じゃ、何を気に掛けているわけ?」



それは―



千「ガヤさんと宏光の事」

宮「あの2人」

千「結ばれたって言ってたじゃん」

宮「‥‥‥」

千「違うの?」



ダダダダッ!



千「なっ、なに!?」

宮「廊下を誰かが走っている」



ダダダッ!

にしては随分と凄い地響きだな、そう思っていたら。

今度は…



藤「北山、逃げても無駄だ観念して出て来い」



えっ、ガヤさん!?

俺達ふたりは顔を見合せ、部屋から飛び出し。

次の瞬間!



ニ「ガヤ、何をやっているんだよ」

藤「そこをどけニカ」

ニ「嫌だと言ったら、キッ」



あれは二階堂、それと。



北「くっ」

横「太輔、もうやめな」

藤「わたも邪魔だ、北山をこっちへよこせ」



ミツを庇うようにして立つ横尾さんの姿。




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