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幻想世界☆

第17章 慟哭と苦悩①

千「ちょ、どうしちゃったのガヤさん」



あげくに、思わず近づいた千ちゃんを。



藤「煩い、ドンッ」

千「うわあぁーっ」

宮「千ちゃん!」



ドッシーン



千「みっ、宮田、すっげー力だ、なんなんだ一体!?」



突き飛ばし、尻餅をついたのを見向きもせず。



ニ「千賀、大丈夫か」

千「気をつけた方がいい、なんでだかよく分からないけどいつものガヤさんじゃない」



と、そこへ。



玉「ミツ!」

横「裕太こっちへ来るな」

玉「‥‥っ」



じわり、ジワリと近づいてくガヤさんは威圧感に満ち

恐怖さえ感じ。



藤「さぁ、次はどいつだ」

ニ「くっ、ガヤ」

藤「お前か?ニカ、フッ」



狂っている…



ニ「俺はミツを護ってみせる、キッ」

北「ニカ!」

ニ「来るなら来い」

藤「ふっ、ニヤッ」



駄目だ二階堂、いまのガヤさんは普通じゃない。



藤「なら覚悟するんだな」

千「ガヤさん!」

玉「ニカ!」

北「やめろおぉーっ」



ピタッと、ガヤさんの足が止まった。



玉「ミツ」

宮「キタ…ミツ‥」



全てがその叫び声で停止し



北「こいつらに手を出すんじゃね、クッ」

藤「だったら二度と俺から逃げようだなんて考えないことだな、フッ」

北「わか…った‥クッ」

ニ「ダメだミツ」

北「ありがとニカ、ニコッ」

ニ「‥‥っ」

北「でもな」



それは、寂しそうな笑顔だった。



藤「さぁ来るんだ」



分かっているんだね、ここでは逆らえないって事を。



北「心配しなくても大丈夫だからよ」

ニ「‥‥っ」

北「こいつは俺の相手」

横「ミツ」

北「だったら逃げずに戦ってやるわ、キッ」

藤「望むところだ、フッ」



本人がそう決めれば、誰も口出しは出来ない。

ガヤさんと一緒に、部屋へ戻って行くキタミツ。



ニ「くっ、それでも俺は」

宮「二階堂」

ニ「ミツを護る、そう決めたんだぁーっ」



その後ろ姿が再びピタッと足を止め。

応えるかのように、右手を上へと挙げた。

そして―



ニ「ミツうぅーっ」



悲痛な叫び声を背に消えて行き。

俺達は、やるせない思いに包まれていたんだ。

どうしようもないほどに…




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