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幻想世界☆

第2章 秘めた想い①

・横尾side

北「メシ、めしぃーっ」

藤「ちょ静かにしろ、お前は腹を空かせたノラ犬か」

北「だってよ早く食いてんだもん」

藤「まったくしょうがないなぁ」

横「クスクスッ」



いつの頃からだろう、俺が太輔の特別な感情に気づいたのは。



横「ほら、出来たよ」

北「やった旨そ、いっただきやーす パクッ」

横「クスッ もっと、落ち着いて食べれば?」

北「うっめぇーっ」

藤「ふっ」



が、本人に直接聞いたわけではない。



横「今日、仕事は?」

藤「ミになる図書館の収録それから」

北「なぁ横尾さんこの料理の作り方、教えてくれる」

横「んっ?」

藤「ちょ北山いま俺がわたと喋ってるんだぞ」

北「いいだろ ニコッ」

横「あ、まぁーハハッ」

藤「無視するな」

北「無視ムシ、いつも無視してるの藤ヶ谷の方だし」

藤「何か言った?」

北「別にぃ、ニカッ」

藤「くっ」

横「ぷぷぷっ」



テレビや雑誌、スタッフとかの前では見せない太輔の顔がある。

俺たち3人のときには。

それは長い付き合いだからこそ生まれて来る、気心が知れた空間。

同じように自分にも、そんな顔があるのかもしれない



藤「わた?」

横「あっそうだ昨日、裕太がさぁ」



ニコッと微笑んだ太輔の顔

それと重なるかの如く夜に見た夢を思い出す。



執事「なにか御質問は?」



ヴァンパイアなんて映画やテレビの中だけの存在だと思っていた。

だけど―

ここでは俺達はそうなんだと、こいつは言う。



宮「つまりその獣人族とかいうペットを飼わなければならないってこと?」

執事「はい、さようでございます」

横「急にそう言われても」

執事「ですから、幻想館へ行き気に入った獣人を買ってくればいいのです」



買うって…



横「俺達は血なんて吸ったことがないし」

執事「当たり前です、あなた方はまだいらしたばかりなのですから」

藤「どういうこと?」

宮「もっと、分かるように説明してよ」

執事「今はまだ、その必要はないでしょう」

横藤宮「‥‥‥」



“いずれ分かる事ですし”




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