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幻想世界☆

第19章 寄り添う心③

・北山side

藤ヶ谷の中に夢魔ゼロムがいる…



ニ「ミツご飯ができたよ」

北「あ、うん」



あれは、やっぱり藤ヶ谷の意思じゃなかったんだな。

それが分かっただけでも、ホッとしている自分がいた



ニ「どうかした?」

北「えっ?あ、いや」

ニ「食欲ないの?」

北「そんなことねぇよ」

ニ「でも、ぜーんぜん手をつけてないじゃん」

北「あっ、ちと考えごとをしていたんだわ」

ニ「ふーん」



ごめん、ニカ。

目の前に並べられている、愛情のこもった手料理。

ちょっと焦げてるけど、フッ



北「いっただきまーす」

ニ「どお?」

北「うん旨い焦げた調味料が最高だ」

ニ「ミツうぅ」

北「クスッ」



ふと甦る、あの日の出来事



北「メシ、めしぃーっ」

藤「ちょ静かにしろ、お前は腹を空かせたノラ犬か」

北「だってよ早く食いてんだもん」

藤「まったくしょうがねぇなぁ」

横「クスクスッ」



あんな日がもう1度、戻って来るのだろうか。



横「ほら、出来たよ」

北「やった旨そ、いっただきやーす パクッ」

横「クスッ もっと、落ち着いて食べれば」

北「うっめぇーっ」

藤「ふっ」



キュンと、胸が締めつけられる。



ニ「ミツ!?」

北「えっ」



とたん何故だかニカが慌てたように。



ニ「どうしたんだよ?マジで」

北「なに…が?キョトン」

ニ「気づいてないの」

北「んっ?」



サッと目の前に差し出された鏡、それを見て。

泣いてる!?なんで俺?



ニ「今、なにを思い出していたんだ?」

北「ぁ…‥」

ニ「違ってたらごめんガヤのこと?」

北「‥‥っ」



と、再び。



ニ「わわっ、もういい分かったから」



ニ…カ?




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