テキストサイズ

幻想世界☆

第21章 甦った記憶①

・藤ヶ谷side

そう簡単には見つからないか、ガチャ!

疲れた足を引きずり、俺がマンションへ戻ると。



北「お帰りぃ藤ヶ谷、ニコッ」

藤「あ、うん、あれどうしたのそれ?」



迎えに出た北山は、何故だか頭にピンク色の三角巾をしていて。

それと白のエプロンを身につけ…



北「前に、少クラで着てたやつ忘れた?」



あれ自前だったの?ってかそうじゃなく。



藤「なんだか焦げ臭い」

北「やっべ」



ダダダダッ!

慌てて奥へ引っ込んで行く後ろ姿が、なんともいえず可愛い。



北「あぁーあ、焦げちまったわ」

藤「何を作っていたんだ」



後ろから覆い被るようにし聞くと。



北「肉じゃが」

藤「へぇーどれどれ」

北「うわっ、バカ!摘まみ食いすんな」

藤「パクッ、んー少し焦げ味かな。でもこうすると」



グイッと北山の顎を上げ、チュッとキスをすれば。



北「んんっ、よせ、やめろって」

藤「ぷっ、あははっ」



顔を真っ赤にし、頬っぺたをプーッと膨らます。



藤「怒らない怒らない」

北「怒ってねぇし」

藤「クククッ」



北山との生活は本当に楽しい長く続けても飽きが来ない気がする。



北「なぁー藤ヶ谷、どこへ行ってたんだ?」

藤「内緒」

北「ふーん、あっそ」



プイッと横を向くその頬がむくれていた。

ごめん、でも今は。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ