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幻想世界☆

第21章 甦った記憶①

・北山side

軽く俺の額にキスを落としてから瞳を閉じる藤ヶ谷。

その寝顔を見つめつつ…

あったけーお前の腕の中、ずっとずーっとこうしていたい。

何回も抱かれるうちいつの間にか。

そう思っている自分がいた



執事「ふふっ、いい感じです後は頃合いを見計らい」



そんな俺たちを奴が、ほくそ笑みながら見ていたとは知らず。



北「藤ヶ谷」

藤「なに?」

北「ちと聞きたい事があるんだけど」



その日の夜のこと夢の世界で。

俺は前から気になっていたことを口にしてみる。



北「俺らって、いつもこの屋敷の中にいるじゃん」

藤「あぁ」

北「やっぱ外へ出ることは出来ないのかな」

藤「どうした急に?」

北「だって息が詰まるだろたまにはおまえと散歩くらいしたいし」



すると―



藤「俺と一緒なら、出掛けることが出来るのかもしれないな」

北「だったら、ニコッ」

藤「なっ、そんなキラキラした瞳で見るな」

北「ふ・じ・が・や、んふふっ」

藤「あぁーもう分かったって、はぁ」

北「クスッ」



それから…



執事「外へですか?」

藤「ちゃんと戻ってくれば問題ないだろ」

執事「まぁそうですけど」

北「やったぁーっ」



藤ヶ谷が執事を説得し渋々って感じだったが数分後。



北「うっわぁ、久々の外の空気」

藤「で、どこへ行きたいってわけ?」

北「森の奥」

藤「んっ?」



あれからずっーと気になっていた。



藤「それってもしかして」



俺は、どうしてそこにいたのか?



藤「おまえ初めからそこへ向かうつもりで」



その前は、何処で何をしていたんだろうと。



「記憶を取り戻せ、全てはあの狼の森の奥深くに眠っている」



なにかを思い出そうとして起きたあの頭痛はいったい



藤「北山」



知りたいという気持ちが、足を早め。



「放っておいてよいのですか?ゼロムさま」

「構わぬ、ここまで来れば後は満ちるのを待つのみ」

「しかし」

「好きにさせておくがいい奴らはもう逃がれることは出来ないのだから」

「かしこまりました、ニッ」



そして辿り着いた場所―

俺はそこで全てを思い出す事になる。

1年前に何が起きたのか。

藤ヶ谷の優しい温かなぬくもりに包まれ。




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