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幻想世界☆

第22章 甦った記憶②

北「何故だが俺は、上から下を見下ろしててよ」



逃げ惑う、狼たちの群れが見えたという。



「殺せ、皆殺しにしろ」

「銀色の狼を探すんだ」

「捕まえて、ゼロムさまの元へ」



ハンターに命を下していたのは、あの執事。



ニ「やっぱり奴が、間違いなくあいつは!クッ」

横「ニカ」

千「ってことは宏光は初め狼じゃなかったってこと」

藤「白い月さ」

玉「そっか、だから上からなんだ」

横「あいつらが捜しても、見つからなかった訳だね」

北「俺は、ただ見ている事しか出来なくて」

宮「キタミツ」

北「あの世界が、どんどん汚れて行くのを」



そして、そのうち。



北「気がついたら、そこにいた」



とつぜん飛ばされた未来の世界。

そこでミツが見てしまった悲しい現実―

心の中に出来た大きな傷。



「嘘だ、こんなの、こっ、くっあぁーっ」



俺は太輔や宮田はそうなる運命なのか?



北「させない、クッ」

藤「北山」

北「させねぇから絶対」

玉「そうだな」

千「宏光」

北「だから約束してくれ」

宮「なにを?」

北「ここから先は、勝手な行動をしないと」

ニ「ミツ」

北「俺はいやタマや千賀・ニカも、お前ら大切な仲間を失いたくはねんだ」



コクンと頷く後の3人。



北「自分たちが犠牲になれば、なんて考えはしないでくれ頼むからよ」

横「俺は」

玉「ダメだよ、わた」

横「裕太」

千「宮田、俺たち誓い合ったよな?一緒にずっといるって」

宮「千ちゃん」

ニ「わったーガヤ、宮田」

藤「くっ」

北「どこにも行くな藤ヶ谷そばにいてくれ」

藤「北山」



その強い瞳には、嘘偽りのない想いが込められていた

俺たち3人は、出る言葉もなく口をつぐんでしまう。



北「必ず、方法があるはずだ」

千「探そ、みんなで」

ニ「そうさ頑張って全員で力を合わせてさ」

玉「抜け出すときはみんな一緒、分かった?」



裕太、フッ

心の奥に、今でも消えずにいた罪悪感。

俺も太輔、宮田も。

けれど、こいつらは大切な仲間だと言ってくれる。

その気持ちが嬉しかった、涙が出そうになるほど。




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