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そして―



戸「ここは？」

北「洞窟だ滝の下の」



俺は屋良さんたちに、自分がどうやってあそこへ辿り着いたのか。

その前に何があったのかを話して聞かせたんだ。



屋「つまり過去を変える事が出来ればあいつらを助け出す事が出来る、そう言いたいわけ」

河「でも、どうやって」

五「歴史は変えてはならないトリップ物でよく言われている言葉だよな」

橋「そうか、って事は変えちゃえばいいんだ」

山「何を？どんなふうに」

塚「あの未来に繋がっている過去にはいなかった人物を呼ぶとか？」

五「塚ちゃん、何を言っているの？イキなり来た俺達にそんなの誰だか、分かるわけないじゃん」

河「だいいち、呼び方だって知らないんだしさ」

戸「北山はどう思う？」

北「俺は…」



ふと頭の中に、祭壇で言葉を交わしていた３人の姿が浮かび上がる。

あのとき、横尾さんはタマの名前を呼んでいた。

宮田はタマ、それと千賀の藤ヶ谷は俺を。



北「はっ、ニカだ」

戸「えっ」

北「ニカの名前だけがなかったんだわ」



何故？



山「ここには、いなかったから？」

五「だとしても、俺達にはなんの力もないんだぜ」

屋「呼ぶには、どうすればいい？」

北「俺は願った」

戸「願う？」

北「そしたら、おまえらが現れ」

塚「えっ？てことは俺達、北山に呼ばれたってわけ」

屋「そうなるな、ﾌｯ」

山「願えばいいんだね」

河「よし」

北「この洞窟を抜けた瞬間に、トリップする可能性がある」



全員の表情が、一斉に引き締まる。



河「ぜったい、絶体にあんな未来にはさせないぞ」

五「あぁ、きっと変えてみせるさ」

塚「必ず」

山「うん」

戸「みんなで」

橋「力を合わせ」

屋「行くぞ、みんな」



心の中で、それぞれが念じ二階堂の名前を呼んだ。