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幻想世界☆

第25章 選ばれし者

・玉森side

どこまでも続く両脇に木が覆い茂った道のり。

まだかなぁ…ハァ



二「こっち、こっちだってへばってないで歩けタマ」

玉「はっ?」



歩いてるし、へばってなんかいない。



北「ほら」

玉「えっ」

北「手を繋ごう、ニコッ」

玉「ミツ、ふっ」



不機嫌な顔をした俺を見て手を差しのべてくれたミツ

ギュッと握りしめれば嬉しそうに笑って。

んふふっ、見つめ合う互いの瞳と瞳。



二「あぁーズルい」



先頭を切って、歩いていたニカがほっぺたをプーッと膨らました。

へへーんだ勝ったね、得意げに目線を送ったら。



二「いいもん、あとで俺もギューしちゃうから」

千「はあっ?何をやってるんだか2人とも」



それを見て、呆れ顔の千賀



北「そろそろじゃね」



ミツが言うには、この先を行くと例の滝があるらしい



千「本当だ聞こえてきた」



ザザァ、ザザァー鳴り響く水の音。



二「その手前を右だよ」



ニカの案内で滝までは行かず更に森の奥へと足を踏み入れて行く。

すると―



千「んなんか木と木の間がまるで迷路みたいになっているな」

二「だろ?」

北「なるほど」

玉「ここが思念の迷宮?」

北「いや違う、きっとこの先にある」



真っ暗な森の奥、サイリウムの灯りだけで行き着けるのだろうか?

ふと不安になった―



北「行くしかないっしょ」

二「うん」

玉「そうだね」

千「よし」

北「俺が先頭で行くわ」



はぐれないようミツ・俺・ニカに千賀と、縦へ1列となり。

みんなで繋がりながら前へと進む。

そしたら、開けた場所へと出て。



千「うっわ、なに?これ」

玉「迷路じゃない」



それは見るからにコンクリートで仕切られた迷路そのもの。

そこだけ覆っていた木々が途切れ空からは月の光りが降り注いでいた。



二「思念の迷宮」

北「だな」



そして、入り口には。

―その剣(つるぎ)は選ばれし者でしか手にする事ができない―




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