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幻想世界☆

第3章 秘めた想い②

・横尾side

ここって、この間の川だよね。

その夜、自分の部屋で眠りについた俺は再び夢の中にいた。

気がつけば、川岸を流れに沿って歩いていて。

しっかし、綺麗な水だなぁ

と、向かう先に誰かが倒れているのが見え。

裕太?いや違う、あれは。



五「ふぅー気持ちがいい」

横「五関!?」

五「おや誰かと思えば横尾じゃん、ニコッ」



近づいたら何故だか寝転んだまま、満面の笑顔を俺に向け。



横「お前、なにやってるのこんな所で?」

五「月光浴、クスッ」

横「はあっ?」

五「ふふふっ」



姿形は自分と同じ、って事は狩る者か。



五「どうした、もしかして捜し物でもしている?」

横「いや」

五「俺はしてるよ」

横「何を?」

五「もちろん、決まってるじゃん ニヤッ」



おまっ…



五「でもなかなか目当てのやつが見つからなくてさ」

横「で、月光浴?」

五「そっ、あっ、玉森なら見掛けたぜ」

横「どこで」



が、その言葉に思わず食らいつく。



五「この先を山あいの方へ向かって歩いて行くと温泉が湧き出ている洞穴があってね」

横「温泉?」

五「誰かと一緒だったみたいだけど俺が見掛けた時には独りでいた」



ダダッ!



五「気をつけて行けー」



走り出したら後ろから呑気な五関の声が聞こえた。

そして―

言われた通り、暫く行くとそこには大きな洞穴があり

ここ?


本当に裕太はいるのだろうか、そう思いつつ。

奥へ奥へと進んで行けば。

ザッバーンと湯の音が辺り一面に響き渡って湯煙の中



玉「やっぱ温泉って気持ちいいーっ」



いた、この声は確かに。




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