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幻想世界☆

第26章 月の加護

・宮田side

執事「さぁ、皆さま覚悟は宜しいですか」



屋敷内の奥にある林そこは

ガヤさんとキタミツが執事の罠にハメられた場所で。



横「やっぱり」

藤「ここに、ゼロムがいたんだな」

宮「わわっ、不気味な所」



マジで、行かなければならないんだこんなところ。



藤「みや大丈夫だよ」

横「お前は独りじゃない、俺達がついてる ニコッ」

宮「横尾さん、ガヤさん」



そうだね、フッ

仲間がいれば怖くはない、信頼する友さえいてくれれば。



執事「では参りますよ」



俺は勇気を振り絞り前へと進む。

光と闇との狭間に足を踏み入れるかの如くに。

しかし―



宮「えっ、なんで?どうして月が見えているわけ」

藤「まるで外みたいだ」

横「いや、外なんでしょう初めっから」

執事「よくお分かりで横尾さま、さすがです」



どういうこと?



執事「最初から屋敷なんてないんですよ」



えっ、意味が分からない。



横「つまりは幻想」

執事「さようでございますここはそういった世界ですから」



なるほど。



執事「お部屋も、皆さまが心に描いたものなのです」



だから、それぞれの好みに合った。

ははっ、笑うしかないや。



執事「さっ、先へと進みますよゼロムさまがお待ちかねです」

藤「お前さ」



と、そのときガヤさんが。



執事「なんでございますか藤ヶ谷さま」

藤「精神が壊れてしまう前の記憶はないの?」

執事「なんのことを言っているんです?」

藤「現世での記憶が」

執事「とんと意味が分かりかねますが」



嘘、こいつ覚えてないんだ



横「太輔」

藤「ふっ、踊らされていたのは同じってことか」



つまりはゼロムに利用されていた…

そのねじ曲がってしまった卑屈な心の隙をつかれ。



横「哀れといえば、哀れだね」

宮「うん」



そして、恐怖の瞬間が迫り来る。




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