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幻想世界☆

第27章 不器用な2人

北「へっ、平気だって」

藤「ダメ、ちゃんと見せないと」



ドキドキドキ、そんなに見つめないで息が出来ないほど苦しい。



藤「火傷はしていないみたい良かったぁ」

北「だから、大丈夫だって言ったじゃん」



久々に間近で見る藤ヶ谷の顔を直視できず慌てて目を逸らしたら。



藤「んふふっ」

北「なっ、なんだよ」

藤「顔、赤くなってる」

北「はっ?これは、その、そう、湯気にやられただけだ」

藤「なんの?あぁコーヒーのか、クスクスッ」

北「‥‥っ」



こいつ、めっちゃ腹が立つ



北「もういいから、あっちへ行け」



グイッと押しやると、逆に引き寄せられギュッとふところの中へ。



北「ちょ、何をやっているんだわ」

藤「しっ、黙って暫くこのまま、ねっ ニコッ」

北「ドキッ」



トックン、トックン鼓動の音が聞こえる。



藤「北山」

北「んなに」

藤「聞こえる?」

北「なに…が」

藤「心臓の音」

北「‥‥っ」



やはり、藤ヶ谷の腕の中は心地いい。



藤「俺ね今すごくドキドキしているんだ」

北「えっ」

藤「北山は?」

北「俺…は」



聞かれて、答えに戸惑ってしまう。



藤「ねぇ教えてよ」

北「‥‥‥」



素直にならなきゃ、こういう時こそ。



北「どきどき…して‥いる…よ‥今」

藤「なーんだ一緒じゃん」



んふふふっ、藤ヶ谷は嬉しそうに笑った。



藤「不思議だな、北山とは何回も身体を重ねたのに」

北「あ、まぁ」

藤「まるで初めてのようにこう胸がさ、フッ」



そう言って優しく俺に微笑みかける。



北「ドキッ、ちょ」

藤「んっ?フフッ」



俺は、気恥ずかしくなり。



北「もっ、いいだろ、向こうへ行ってろって」

藤「はいはい、待っているから早く来てね クスッ」



ポンポンと軽く頭を叩き、ソファーへ戻って行く藤ヶ谷。

その後ろ姿を見つめながら心の中で問い掛けていた。

どういうつもり期待しちゃうよ、いいの?

お前も俺と同じ気持ちだって―




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